乳がんにかかった方は2019年統計で、年間女性97142人、男性670人でした。女性では最も罹患数の多いがんですが、死亡者数はがんによる死亡の中で第5位です。つまり、かかることの多いがんではありますが、早期に発見し、適切に治療を受ければ治ることも多いがんと言えます。40才から60才台が好発年齢ですが、70才、80才台でかかる方もいます。男性乳がんの好発年齢は60-70才台で、近親者に1人でも乳がんにかかった方がいることが危険因子となります。
健診で実施する乳腺の検査には乳房触診、マンモグラフィー(乳腺X線検査)、乳腺エコー(乳腺超音波検査)があり、一つの検査を受けるより複数の検査を組み合わせることで診断精度は上がります。特に高濃度乳腺と言って、乳腺が多いタイプの方は、マンモグラフィーでは乳房が白く写り病変の検出が困難なので、乳腺エコーの併用を強くお勧めします。
一般的に年齢が若い方は乳腺が多い傾向にあるので、乳腺エコーがお勧めです。
乳がんの危険因子は、“乳がんの家族歴” “喫煙” “多量飲酒” “閉経後の肥満” “エストロゲンを含む経口避妊薬の使用・閉経後の長期のホルモン補充療法” “初経年齢が低い” “閉経年齢が高い” “出産経験がない” “初産年齢が高い” “授乳経験がない”などがあります。特に、第一親等(自分の親または子)で乳がんになった血縁者がいる場合、乳がんのリスクが高いことが分かっていますので、若い時から乳がん検診を欠かさず受けるようにしましょう。
当センターでは新しい乳房X線検査装置(デジタルマンモグラフィ)が導入されました。また、乳腺エコー検査はオプション検査として実施しています。
詳細はホームページ「オプション検査のご案内」でご確認ください。